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[ 大型本 ]
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TVアニメーション 魍魎の匣 オフィシャルガイド
・ポストメディア編集部
【一迅社】
発売日: 2009-03-27
参考価格: 2,200 円(税込)
販売価格: 2,200 円(税込)
Amazonポイント: 22 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1,700円〜
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・ポストメディア編集部
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カスタマー平均評価: 3
まぁまぁ・・・? 設定資料ページはほとんどがカラーで京極堂の古本屋や居間、薔薇十字探偵社の部屋のスケッチもあり、充実の内容です。
ですが、各話紹介ページは一話につき四分の一ページで正直がっかりしました。
イラスト集は六枚だったのでDVDのジャケット画も追加してくれれば良かったのにと思います。
声優対談、スタッフ対談があったのでそこに少しでも原作者の声も交えてくれればもっと良かったなぁと思うので・・・以上で星三つです。
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[ 文庫 ]
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魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 1999-09
参考価格: 1,090 円(税込)
販売価格: 1,090 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 4.5
長いのに、読むのが苦痛になりません。「はこ」の中みたいなあ…。 バラバラ殺人、美少女殺人未遂事件、少女誘拐事件が絡まりあって
解きほぐすのは不可能と思われる謎を形成しています。
キーワードは本書のタイトルにもなっている「魍魎」と「はこ」です。
1点目。拡散していくように思える真相を、謎解きパートでしっかり明かしてくれる場面。
前作「姑獲鳥の夏」でもそうでしたが、ここは心地よい。(ただし話は悲しい。)
それまでは京極堂以外の登場人物と同化して、読者もいまいち真相にたどり着けず
いらいらしながら読むことになります。
しかし、この「いらだち」は決して不快なものではありません。
脳みそをフル回転させる心地よい疲労感です。
そうして、真相の6割くらいまでは頑張れば到達できるのです。
しかし、そのさらに奥深くにあることを京極堂に見事に指摘されて悔しくもあり、
すっきりもしました。この快感、開放感は素晴らしい。
2点目。ネタバレなしで、話の内容について感想を書きますと、
人は「何か」にとらわれるととてつもない行動を平気でしてしまうのかなあと思いました。
人をとらえるものは、愛情だったり、妄執だったりします。
それが謎解きの部分でどんどん明かされます。
(ただし、京極堂は明かす前に本人に言ってよいのか確認をとってから話すのです。
ここにぶっきらぼうな彼のやさしさが見えます。じつはヒューマニスト?)
3点目。バラバラ殺人事件の謎解きの時、気が遠くなりました。
切る側の「ある思い込み」のため、切られる側は「最上級の苦痛」を与えられます。
さらりと書いてある(うっかりすると見逃すかも)くせに、これはすごい場面でした。
現場を想像すると痛さが伝わり、恐ろしいのです。被害者からしたら絶望的な恐怖です。
下手な悲鳴などいらない。京極堂の冷徹な語りさえあればいい。
想像力豊かな方は気をつけてください。失神するかもしれません。
スプラッターやゾンビ大好きの私も、ここの恐怖には心底震えました。
文学ってすごい!(なんかあほなまとめ方になってしまいましたが。)
今回も夢中で読ませてくれました。文句なしの☆5です。 京極夏彦の最高傑作という名にはじない作品 京極夏彦2作めにして最高傑作として名高い本作。作中にはさまれる幻想的な「匣の中の娘」女子高生の自殺未遂事件、連続バラバラ殺人事件、戦時中の不気味な研究を続ける医学研究所、匣をあがめる新興宗教など禍々しいが、一見無関係に見える事件が一気に収束してゆくラストが圧巻です.戦後のこの時期に免疫学や遺伝子操作などの言葉自体もありませんし、そういう意味で時代背景と京極堂の説明はやや齟齬がありますが、科学と伝奇ものが絶妙に組み合わされた傑作であることはかわりありません。現代の医学水準で考えれば四肢のない状態で生きていくことも人工臓器、臓器移植などある程度可能な技術です。究極は体のサイボーグ化、脳移植や意識の電脳化などでしょうが、これが本当にヒトといえるのか、元の本人と同一のものなのか、考えさせられます.特に臓器移植に関しては我々はもう一度その是非について考える必要があるのではないでしょうか?猟奇的ミステリ小説の傑作、ぜひご一読されることをお勧めします. 伝奇ミステリー “ヤンデレ”多すぎ(笑)
すっきりしたとも後味が悪いとも云えない独特の読後感でした。
姑獲鳥の夏よりストーリーの構成は向上していると思います。
お勧めです!! 匣の中には綺麗な娘がぴつたり入つてゐた。 女子中学生が深夜の駅で線路に突き落とされ、重症を負う。
そばには、泣きじゃくる同級生がいた。
偶然とおりかかった刑事木場は、同級生の身柄の保護を頼まれ、
一連の事件に巻き込まれていく。
別の場所で起こったバラバラ殺人事件。
箱を持ったお払い師
奇妙な正方形の研究所
登場人物も事件の舞台も不思議な雰囲気をもち、
小説の中に時折挟み込まれる作中人物が書いたとされる小説が
不気味さに拍車をかけていきます。
物語の後に行くにつれ、
最初に投げかけられていた言葉や出来事が伏線だったのがわかり、
とても面白く読みました。
厚い本のうえ、登場人物も多数なのですが、混乱する事も無くすんなりと読めます。 ほぅ。 本作のみでも十分に楽しめますが、前作を読んだほうが、関係者のつながりがより深くわかって、お勧めです。
ここでもやはり飛ばし読みは厳禁です。話についていけなくなります。しかし、きちんと読んだ人には優しいです。
猟奇性の強い作品なので、バラバラなどに抵抗のある人にはお勧めできないかもしれないですが、物語としては秀逸で大変読み応えがある内容なので、興味のある人は是非♪
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[ コミック ]
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魍魎の匣 (2) (怪COMIC)
・志水 アキ
【角川グループパブリッシング】
発売日: 2008-08-18
参考価格: 588 円(税込)
販売価格: 588 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 64円〜
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・志水 アキ
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カスタマー平均評価: 5
読み応えあります 原作は読んでいません。
一巻は、『匣の中の娘』の件が特にですが、原作が小説家だけあって、随分巧みな表現と独特な雰囲気を出せるものかと感心はしましたが、薄気味悪いという印象ばかりで、強いて面白いとは思いませんでした。
この二巻ですが、いっきに作品の魅力が爆発します。少なくとも私はいっきにファンになりました。勢いでコミック『怪』も買いました。たぶん原作も読みます。
おそらく主役と思われる京極堂が出てきます。まくし立てる科白の端々まで、なかなか洗練されていて、文章がやっぱり巧みだと感心します。科白のまくし立てをケレンや勢いだけで押し切る漫画は多いですが、さすが本職、ズッシリと重みのある科白で魅せてくれます。
一巻で簡単に触れられていた御匣様とバラバラ事件の唐突な接点で事件の魅力が俄然まして、先はどうなるのかと、とにかく先を読ませろと、そんな感じです。
絵の雰囲気も素晴らしいです。ただ上手で美形揃いというわけではなくて、いずれも味のある魅力的な作風になっています。
読み応えあります。 原作の魅力を漫画として上手く昇華 小説などの漫画化は、読者の数だけ脳内で変換されているイメージがあるので、ファンの期待を裏切らず、かつ万人に受け入れられるようにするのはなかなか難儀なもの。
その点、この作品は原作の魅力を損なうことなく、漫画として上手く昇華できている稀有な作品のひとつ。原作の持つ独特な「おぞましい空気感」が滲み出ている。
単純に一本の漫画として評価しても見やすい絵柄は万人向けでもある。原作未読の人にもこれなら安心して奨められる。 ビスクドール! 榎木津探偵が本当に人形の様に綺麗で笑った。過去映像・画像化した物の中では一番イメージ通りに描かれていると思う。京極堂の表情のデッサンが不安定だけど、これまた計算通りなのかな?早く最終巻で憑き物落としの装束を身に纏った京極堂を見たい! 探偵・榎木津礼二郎と監察医・里村紘市が登場 同タイトルの原作・京極夏彦の小説を漫画化した『魍魎の匣』第2巻。
前巻で最後の1頁のみ登場した主人公である京極堂。
今回は関口巽と鳥口守彦へふるう長広舌(説教)が余すとこなく披露されています。
そして、今回は木場、関口、京極堂に並ぶ主要キャラクタである、あの探偵・榎木津礼二郎がついに登場。
しかも、前巻の京極堂と違って、初登場で複数頁の活躍です。
しかし、榎木津礼二郎の『体質(能力)』に関して何の説明もされないまま描写されているので、一見さんにはきついかも知れません。
木場の後輩、こけし青木文蔵に続いて脇役・里村紘市も登場します。
僕はもっと飄々とした風貌を想像していたのですが、えらいつぶらな瞳が愛くるしい感じでしたw
作品は文句なく星5つ。
気が早いですが、原作シリーズを全漫画化して欲しい、そう思わせるほどに省略と要点、作品の特徴をとらえ見事な演出と描写で楽しめる漫画化です。
内容とは関係ありませんが、気になることをひとつ。
帯に堂々と『アニメ化』と書いてありますが、漫画は無関係です。
アニメのキャラクタデザインは、有名な少女漫画家集団CLAMPであって、漫画を描いている志水アキは全く無関係です。
アニメと漫画は別物として期待しましょう。
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[ コミック ]
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魍魎の匣 1 (怪COMIC)
・京極 夏彦
【角川書店】
発売日: 2007-12
参考価格: 588 円(税込)
販売価格: 588 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・京極 夏彦 ・志水 アキ
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カスタマー平均評価: 4
原作の魅力を漫画として上手く昇華 小説などの漫画化は、読者の数だけ脳内で変換されているイメージがあるので、ファンの期待を裏切らず、かつ万人に受け入れられるようにするのはなかなか難儀なもの。
その点、この作品は原作の魅力を損なうことなく、漫画として上手く昇華できている稀有な作品のひとつ。原作の持つ独特な「おぞましい空気感」が滲み出ている。
単純に一本の漫画として評価しても見やすい絵柄は万人向けでもある。原作未読の人にもこれなら安心して奨められる。 話は面白い ただ、絵がイメージと違っていたのが辛い。といってもヘタクソだとかキャラの顔がどうとかそんなことではない。なんていうか、『DS犬神家の一族』?みたいな濃いビジュアルイメージを頭の中で構築していたので、線が弱く感じてしまったのだ。オドロオドロシイ絵というよりは繊細な線の、比較的描き込まれた少女漫画という感じ。例えが思い浮かばないが、くぬぎけんいちの『快男児』の線を女性的にした感じ、かなぁ。作者の性別は知らないけれど。ただ絵さえ気に入ればこれといって他に難はない。 匠の技 京極夏彦の作品を漫画化したものとしては他に『巷説百物語』、『ルー・ガルー』を知っていますが失礼ながらこの作品ほどの完成度(再現度)はないように感じます。
この作品は、絵の完成度もさることながら、小説独特の心理描写をよく絵に表わしていると思います。(例えば木場刑事の心理状態を表すのに使われた『箱』の描写は巧みでした)
原作ファンにも必見です。
人間って本当に恐ろしい生き物だなと。 私は両作家さんとも初めましてだったのですが、
ストーリー展開も描写もリアルで、ホラーであの作風の画はほんとに怖いです。
絵柄が受け付けない、と言うのでなければ読んでてのめり込める作品なんでしょうが、
正直私はちょっと苦手です。
でもこの先の展開が気になって、次巻の購入を悩んでいます。
だって、表紙の彼が最後1ページしか出てこない。しかもセリフもない。
とりあえず、しばらく様子をみようと思います。 素晴らしいコミック化 あまりにも素晴らしいコミック化。
作者の愛情と画力と構成力と原作の良質さが融合して生まれた傑作と言っても良いでしょう。
まずキャラクターデザインですが、映画版と違い、どのキャラも原作の描写を余すところなく拾い集めて絵にしたような、まさにイメージ通りの姿をしています。
細かいところでは個人個人、イメージの差があるでしょうが、少なくとも全ての巻を念入りに読み込み、そのキャラクターの文章上の外見描写は残らず拾い集めたデザインであることは間違いありません。
全体的には、ホラーマンガとしても、カメラアングル・顔のアップの使いどころが巧みで、少女達の耽美さと、他のうすら気味悪い怖さが融和しており文句なしです。この気持ち悪いのに気持ち良いような感じがまさに京極シリーズ。
完結するまでに凄く長そうですが、端折ってグダクダにされるよりは、この忠実でゆっくりとした進行が正解だと思うので、気長に見てゆきたいと思います。
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[ 文庫 ]
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分冊文庫版 魍魎の匣〈上〉 (講談社文庫)
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 2005-06
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 5
非常に優れたミステリー 一気に読了しました。
作者の作品のみならず、最近の(特に)日本のミステリー作品と呼ばれる本を(何故か)
毛嫌いして手に取ることもなかったのですが、本書を一読し、その考えを改めました。
私のように、どちらかというと古典作品に重きを置き、最近の作品を下に見ている風な
方がいらしたら、ぜひ本書を一読下さい。
見解・見識が変わります。
・非常に良く練られたストーリー、本当に面白い
・登場人物の設定、心理描写共に優れています
・一気に持っていく文章能力
全てにおいて、素晴らしい。
お薦めします! 魍魎にとりつかれた倒錯世界と推理小説としてのトリック。文句なしの京極ベスト作品 1994年姑獲鳥の夏でデビューした京極が1996年に発表した2作目。日本推理作家協会賞受賞作品。 「都會(とかい)を離れる歸省(きせい)の列車は空いてゐた」「男は匣(はこ)をもってゐた」「匣の中には奇麗な娘がぴったりはいってゐた」と雰囲気たっぷりの序文ではじまる本作は、自信の筆で姑獲鳥の夏からさらに大きく世界観を広げている。 前世、今生を持ち合う二人の少女、巨大な箱型研究所を運営するマッドサイエンティストの美馬坂とそこに出入りする元女優の柚木陽子。魍魎を閉じ込め信者を救済する新興宗教・御筥様(おんばこさま)と、それにつながる地獄の火車がばらまくような手足のバラバラ投棄事件。 難解な事件に立ち向かうは前作から引き続き登場の、突っ走り型刑事の木場、富豪にして超能力探偵の榎木津、「ワトソン博士役」の小説家関口。そしてわれらが京極堂。 合計1000ページ以上にわたる大作だが、大作であるがゆえの醍醐味を十分味わわせてくれる。魍魎ワールドにどっぷり浸れる上に、倒錯とトリックがいりみだれる。文句なしに京極夏彦のベストである。 分冊版にしてくれているので重くなくて読みやすいのもよい。 シリーズ最高作! 京極堂シリーズのどれを最高とするかは意見の分かれる所だと思いますが、 旧字体・旧かな使いの妖しさ、「姑獲鳥の夏」より拍車のかかったけれん味や博覧強記っぷりなどを考えて、 これが京極さんの真骨頂だと感じます。 まず冒頭の旧漢字の部分を読んでみてください。 「え?!」と思った人にはお勧めです。その妖しいムードが全編をつらぬいています。 映画化は「姑獲鳥の夏」よりさらに難しいのでは。 古くならない箱がある。 著者の出身は函館ということで、この箱に関しては興味深い。 魍魎という言葉は愛知万博のマスコットモリゾーに音が似ていて興味深い。文庫が白いというのも魅力のひとつだ。 白が好きな人、箱が好きな人に欠かさず勧めているが成果の上がらない一冊。おそらくそれとは違う嗜好の人に受けるのだろう。
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[ 単行本(ソフトカバー) ]
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魍魎の匣 (講談社ノベルス)
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 1995-01
参考価格: 1,334 円(税込)
販売価格: 1,334 円(税込)
Amazonポイント: 13 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 4.5
長いのに、読むのが苦痛になりません。「はこ」の中みたいなあ…。 バラバラ殺人、美少女殺人未遂事件、少女誘拐事件が絡まりあって
解きほぐすのは不可能と思われる謎を形成しています。
キーワードは本書のタイトルにもなっている「魍魎」と「はこ」です。
1点目。拡散していくように思える真相を、謎解きパートでしっかり明かしてくれる場面。
前作「姑獲鳥の夏」でもそうでしたが、ここは心地よい。(ただし話は悲しい。)
それまでは京極堂以外の登場人物と同化して、読者もいまいち真相にたどり着けず
いらいらしながら読むことになります。
しかし、この「いらだち」は決して不快なものではありません。
脳みそをフル回転させる心地よい疲労感です。
そうして、真相の6割くらいまでは頑張れば到達できるのです。
しかし、そのさらに奥深くにあることを京極堂に見事に指摘されて悔しくもあり、
すっきりもしました。この快感、開放感は素晴らしい。
2点目。ネタバレなしで、話の内容について感想を書きますと、
人は「何か」にとらわれるととてつもない行動を平気でしてしまうのかなあと思いました。
人をとらえるものは、愛情だったり、妄執だったりします。
それが謎解きの部分でどんどん明かされます。
(ただし、京極堂は明かす前に本人に言ってよいのか確認をとってから話すのです。
ここにぶっきらぼうな彼のやさしさが見えます。じつはヒューマニスト?)
3点目。バラバラ殺人事件の謎解きの時、気が遠くなりました。
切る側の「ある思い込み」のため、切られる側は「最上級の苦痛」を与えられます。
さらりと書いてある(うっかりすると見逃すかも)くせに、これはすごい場面でした。
現場を想像すると痛さが伝わり、恐ろしいのです。被害者からしたら絶望的な恐怖です。
下手な悲鳴などいらない。京極堂の冷徹な語りさえあればいい。
想像力豊かな方は気をつけてください。失神するかもしれません。
スプラッターやゾンビ大好きの私も、ここの恐怖には心底震えました。
文学ってすごい!(なんかあほなまとめ方になってしまいましたが。)
今回も夢中で読ませてくれました。文句なしの☆5です。 京極夏彦の最高傑作という名にはじない作品 京極夏彦2作めにして最高傑作として名高い本作。作中にはさまれる幻想的な「匣の中の娘」女子高生の自殺未遂事件、連続バラバラ殺人事件、戦時中の不気味な研究を続ける医学研究所、匣をあがめる新興宗教など禍々しいが、一見無関係に見える事件が一気に収束してゆくラストが圧巻です.戦後のこの時期に免疫学や遺伝子操作などの言葉自体もありませんし、そういう意味で時代背景と京極堂の説明はやや齟齬がありますが、科学と伝奇ものが絶妙に組み合わされた傑作であることはかわりありません。現代の医学水準で考えれば四肢のない状態で生きていくことも人工臓器、臓器移植などある程度可能な技術です。究極は体のサイボーグ化、脳移植や意識の電脳化などでしょうが、これが本当にヒトといえるのか、元の本人と同一のものなのか、考えさせられます.特に臓器移植に関しては我々はもう一度その是非について考える必要があるのではないでしょうか?猟奇的ミステリ小説の傑作、ぜひご一読されることをお勧めします. 伝奇ミステリー “ヤンデレ”多すぎ(笑)
すっきりしたとも後味が悪いとも云えない独特の読後感でした。
姑獲鳥の夏よりストーリーの構成は向上していると思います。
お勧めです!! 匣の中には綺麗な娘がぴつたり入つてゐた。 女子中学生が深夜の駅で線路に突き落とされ、重症を負う。
そばには、泣きじゃくる同級生がいた。
偶然とおりかかった刑事木場は、同級生の身柄の保護を頼まれ、
一連の事件に巻き込まれていく。
別の場所で起こったバラバラ殺人事件。
箱を持ったお払い師
奇妙な正方形の研究所
登場人物も事件の舞台も不思議な雰囲気をもち、
小説の中に時折挟み込まれる作中人物が書いたとされる小説が
不気味さに拍車をかけていきます。
物語の後に行くにつれ、
最初に投げかけられていた言葉や出来事が伏線だったのがわかり、
とても面白く読みました。
厚い本のうえ、登場人物も多数なのですが、混乱する事も無くすんなりと読めます。 ほぅ。 本作のみでも十分に楽しめますが、前作を読んだほうが、関係者のつながりがより深くわかって、お勧めです。
ここでもやはり飛ばし読みは厳禁です。話についていけなくなります。しかし、きちんと読んだ人には優しいです。
猟奇性の強い作品なので、バラバラなどに抵抗のある人にはお勧めできないかもしれないですが、物語としては秀逸で大変読み応えがある内容なので、興味のある人は是非♪
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[ 文庫 ]
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分冊文庫版 魍魎の匣〈下〉 (講談社文庫)
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 2005-06
参考価格: 600 円(税込)
販売価格: 600 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 3.5
背筋が凍る(ほんの少しネタばれかな) 出版の仕方に多少の問題はあるとは思う。が、本の内容には全く関係なし。ミステリー小説の醍醐味は書き手の表現力によって読み手の想像力が刺激されるところだと思う。そういう意味ではとても面白いし、ドキドキするし、そして怖い。「みっしりと」、この一言がぞぞっときました。 出版のやり方に納得できない なんだか最近、講談社の出し方に疑問です。 ノベルズ版が出て、文庫版が出るのは普通ですが、その後から分冊版を出すというのは何なのか。 こうすれば売れるという考えだったらちょっとね。 本の内容だけなら星5つでもいいところです。
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[ 文庫 ]
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分冊文庫版 魍魎の匣〈中〉 (講談社文庫)
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 2005-06
参考価格: 660 円(税込)
販売価格: 660 円(税込)
( 在庫あり。 )
中古価格: 1円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 5
この分冊は犯罪級だ! 三冊に分けるなどびっくりですが、これによって日本人の筋力低下に拍車がかかるとすれば、警鐘を鳴らさねばなりません。トンカラリン。ですが、ウブメの夏映画化によって京極作品がより知られるようになれば、踊りだしたい気持ちです。あれよあれよ。 分冊になっても面白さは変わりません。むしろこの中編は何とも言えずあやふやな関口などの魅力が出枯らすほど煮出されており、濃い口です。 分冊好きと関口ファンはぜひ一冊どうぞ。
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[ 単行本 ]
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魍魎の匣
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 2004-01
参考価格: 3,360 円(税込)
販売価格: 品切れ中
中古価格: 1,778円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 4.5
長いのに、読むのが苦痛になりません。「はこ」の中みたいなあ…。 バラバラ殺人、美少女殺人未遂事件、少女誘拐事件が絡まりあって
解きほぐすのは不可能と思われる謎を形成しています。
キーワードは本書のタイトルにもなっている「魍魎」と「はこ」です。
1点目。拡散していくように思える真相を、謎解きパートでしっかり明かしてくれる場面。
前作「姑獲鳥の夏」でもそうでしたが、ここは心地よい。(ただし話は悲しい。)
それまでは京極堂以外の登場人物と同化して、読者もいまいち真相にたどり着けず
いらいらしながら読むことになります。
しかし、この「いらだち」は決して不快なものではありません。
脳みそをフル回転させる心地よい疲労感です。
そうして、真相の6割くらいまでは頑張れば到達できるのです。
しかし、そのさらに奥深くにあることを京極堂に見事に指摘されて悔しくもあり、
すっきりもしました。この快感、開放感は素晴らしい。
2点目。ネタバレなしで、話の内容について感想を書きますと、
人は「何か」にとらわれるととてつもない行動を平気でしてしまうのかなあと思いました。
人をとらえるものは、愛情だったり、妄執だったりします。
それが謎解きの部分でどんどん明かされます。
(ただし、京極堂は明かす前に本人に言ってよいのか確認をとってから話すのです。
ここにぶっきらぼうな彼のやさしさが見えます。じつはヒューマニスト?)
3点目。バラバラ殺人事件の謎解きの時、気が遠くなりました。
切る側の「ある思い込み」のため、切られる側は「最上級の苦痛」を与えられます。
さらりと書いてある(うっかりすると見逃すかも)くせに、これはすごい場面でした。
現場を想像すると痛さが伝わり、恐ろしいのです。被害者からしたら絶望的な恐怖です。
下手な悲鳴などいらない。京極堂の冷徹な語りさえあればいい。
想像力豊かな方は気をつけてください。失神するかもしれません。
スプラッターやゾンビ大好きの私も、ここの恐怖には心底震えました。
文学ってすごい!(なんかあほなまとめ方になってしまいましたが。)
今回も夢中で読ませてくれました。文句なしの☆5です。 京極夏彦の最高傑作という名にはじない作品 京極夏彦2作めにして最高傑作として名高い本作。作中にはさまれる幻想的な「匣の中の娘」女子高生の自殺未遂事件、連続バラバラ殺人事件、戦時中の不気味な研究を続ける医学研究所、匣をあがめる新興宗教など禍々しいが、一見無関係に見える事件が一気に収束してゆくラストが圧巻です.戦後のこの時期に免疫学や遺伝子操作などの言葉自体もありませんし、そういう意味で時代背景と京極堂の説明はやや齟齬がありますが、科学と伝奇ものが絶妙に組み合わされた傑作であることはかわりありません。現代の医学水準で考えれば四肢のない状態で生きていくことも人工臓器、臓器移植などある程度可能な技術です。究極は体のサイボーグ化、脳移植や意識の電脳化などでしょうが、これが本当にヒトといえるのか、元の本人と同一のものなのか、考えさせられます.特に臓器移植に関しては我々はもう一度その是非について考える必要があるのではないでしょうか?猟奇的ミステリ小説の傑作、ぜひご一読されることをお勧めします. 伝奇ミステリー “ヤンデレ”多すぎ(笑)
すっきりしたとも後味が悪いとも云えない独特の読後感でした。
姑獲鳥の夏よりストーリーの構成は向上していると思います。
お勧めです!! 匣の中には綺麗な娘がぴつたり入つてゐた。 女子中学生が深夜の駅で線路に突き落とされ、重症を負う。
そばには、泣きじゃくる同級生がいた。
偶然とおりかかった刑事木場は、同級生の身柄の保護を頼まれ、
一連の事件に巻き込まれていく。
別の場所で起こったバラバラ殺人事件。
箱を持ったお払い師
奇妙な正方形の研究所
登場人物も事件の舞台も不思議な雰囲気をもち、
小説の中に時折挟み込まれる作中人物が書いたとされる小説が
不気味さに拍車をかけていきます。
物語の後に行くにつれ、
最初に投げかけられていた言葉や出来事が伏線だったのがわかり、
とても面白く読みました。
厚い本のうえ、登場人物も多数なのですが、混乱する事も無くすんなりと読めます。 ほぅ。 本作のみでも十分に楽しめますが、前作を読んだほうが、関係者のつながりがより深くわかって、お勧めです。
ここでもやはり飛ばし読みは厳禁です。話についていけなくなります。しかし、きちんと読んだ人には優しいです。
猟奇性の強い作品なので、バラバラなどに抵抗のある人にはお勧めできないかもしれないですが、物語としては秀逸で大変読み応えがある内容なので、興味のある人は是非♪
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[ 単行本 ]
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魍魎の匣 アンカット特装版 (講談社ノベルス)
・京極 夏彦
【講談社】
発売日: 2008-05-19
参考価格: 12,600 円(税込)
販売価格: 12,600 円(税込)
Amazonポイント: 126 pt
( 在庫あり。 )
中古価格: 9,199円〜
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・京極 夏彦
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カスタマー平均評価: 0
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